Read Me

日本労務研究所 > Read Me > こんなとき労務シリーズ+仕事のレシピ「職場のメンタルヘルス管理の重要性」

こんなとき労務シリーズ+仕事のレシピ「職場のメンタルヘルス管理の重要性」

職場のメンタルヘルス管理の重要性

メンタルヘルス管理とは、職場の活性化と業務の生産性向上のため職場内のメンタルヘルス(心の健康)維持のためのアプローチで、名称は筆者の造語です。
メンタルヘルス管理は医療や法律からのアプローチでなく、労務管理、職場秩序維持や調和のとれた風通しのいい職場を構築するための約束事、またはルールを指します。
ただし、気が合うことが前提の仲良し集団ではなく、あくまでも仕事のbestを追及し論争も否定しないことが前提です。
安心した職場とは、存在を認め合い、働く価値やプライドを見出すことができ、居心地の良い居場所、仕事は疲れても心の解放があり心身ともに侵害されない職場であると考えます。
職業性のストレスに関係するものとして、仕事の質や量、長時間労働、バックヤードとしての家庭環境、職場の人間関係等がありますが、人間関係は特に重要です。
人間関係の不和で退職する例は後を絶ちません。
人間関係の不和は、理由はどうであれ負のエネルギーを費やしますのでクオリティーや生産性が落ちる原因となります。
そこでその解決または予防を目的とするメンタルヘルス管理を説明します。

労働力やモチベーションのマイナス要因

労働生産性が上がらないということは、一人当たりまたは1時間当たりの付加価値が低いということです。
付加価値額に対して時間や手間をかけ過ぎ、またはかかり過ぎが原因です。GDPを基にするマクロ計算はさておき、職場内での理由は概ね次のとおりと思われます。
モチベーションが低下している、専念できず心ここにあらず状態、売上に直結しない無駄な動きや休んでいる時間が多い(ローリング、アイドリング、ダブリング)、過度な丁寧語・サービス、スキル不足・研修不足、労務管理不足などのほか、職場の風土・雰囲気の悪化によるメンタルヘルス不調があると思います。
メンタルヘルス不調は、ヒューマンエラーやコミュニケーション不足につながる最も防止しなければならない要素と考えます。

ご提案 職場のメンタルヘルス管理

メンタルヘル管理の基本は一言でいいますとお互いのリスペクトと承認で、孤立や孤独、無視や強要、恫喝などを防止することが可能です。
リスペクトは、理由もなく持つことができない、とのご指摘もあると思いますが、職場で同じ目的のために存在し行動すること自体がリスペクトの対象となり得ます。
その行動は本心でもなくていい、ということをお伝えしたいです。
シェークスピアのお気に召すままでも「この世は一つの舞台、人はみな役者にすぎない。人は時々にいろいろな役を演じるのだ」というくだりがありますが、その人の本質を変えることなくとも演じればいいのです。
演じ方にはうまい下手があるかもしれませんが、仮のアバターが演じることにより本心は休むことができます。
そもそも出来が悪いとか、成果が上がらないとか、他人に好かれないとかで悩むことはありません。
いい人とか、能力があるとか、全て仕事上、付き合い上の演技でよく、個性や本質を変えることはありません。
仕事中の話し方、考え方、身振り素振り、全て演技なので気を使わず楽になると思います。
なお、余談ですが使うのは気ではなく、頭を使うことをお勧めします。
気を使うことは神経をすり減らすイメージがあります。
頭を使うことは物事を理論的に考え、的を絞りソリューション(解決策)を見出すことのように思います。ぜひ悩まずに、頭を使う方向へシフトすれば胃が痛くなることはなくなりますよ。

メンタルヘルス管理のお勧めするメソッド(方法)は次の5つで、行為スキーマ(癖)となるまで使うことをお勧めします。
行為スキーマとはご飯の後の歯磨きのような意識しなくても自然と行う行為(癖)をいいます。

ですますハイ会話  

全ての相手に対して「ですますハイ」で会話すること。相手を計算で判断しないこと。

うなずき表現    

離しているとき相手に同調する・共感・受容の表現。心理学でいうリズム同調

顔上げあいさつ   

他人の存在を承認する行為の一つ。挨拶は顔を上げて行うが必ずしも相手を見ることは必要ないが、顔を上げることが約束事

一声掛け運動   

職場で仕事に関係する話題を積極的に行うこと。「お手伝いしますか(May I help you)」「最近残業が多そうだけど睡眠とれていますか?」など

観察朝礼     

できれば円を描いてお互いの様子が分かるように位置します。そこで何か変だな、という直感を信じます。メンタルヘルス不調が表面的になるのが2週間くらいと言われますので2週間から4週間くらい前と現在との差を感覚的に発見するメソッドです。

これらのメソッドは、一般社員よりも上司や管理職、役員などの方々がお約束しなければ社員は継続的に行いません。
職場風土の改革は管理職や役員の方が率先して行うかどうかにかかっています。

このメソッドの提供を開始してから約15年となりますが、このコンセプトを理解し継続して行っている職場の成功率は100%です。
なぜ完全に成功するか、外形的であっても言葉の攻撃性や上下感、差別意識を排除して「貴方をリスペクトしています」というアプローチが効果をもたらしています。
職場のコミュニケーションアップという問題のカギを握る上司の方は率先して年齢、性別、学歴などの差別感を捨て、負のエネルギーの浸透を避けることにより職場のモチベーションを高め生産性をアップする使命を負っていますが、このメソッドは効果的です。

なお、職場の人間の感情関係を積極的に良好にする必要はないと考えます。良好にするのではなく、険悪な職場にしないことが重要です。

メンタルヘルス管理 成功のポイント

メンタルヘルス管理を成功に導く方法は次の二つです。

1.職場単位で上司、管理職の方が率先して行うこと

上司などの方が実施しないとすぐに廃れます

2.毎日欠かさず実施すること

新人にその管理やチェックを任せ、周辺がフォローする方法も効果がありますが、とにかく継続が重要です。職場の雰囲気が良くなりますので必ず生産性はアップします。

仕事のレシピ (Dルール)

仕事のレシピ」はDルール(デジタルルール)といい、特許を取得した全てのルーティンをプロジェクト・タスク・TODOに分類し、情報・注意点、手順等に整理したものです。
職務記述書(ジョブディスクリプション)の作成をすることができるで、従業員の研修や教育、ヒューマンエラー防止などにも効果的です。
※弊社best jobシステムでもご利用できます。(詳しくはこちらから

職場のメンタルヘルス管理

お問い合わせ