BUSINESS 賃金制度提案構築

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賃金は、ハーズバーグの衛生・動機付け理論では、空気や水のようになければ生きていけない項目であると同時に、仕事に対するモチベーションアップの要因のいずれでもあるといわれます。現実的に賃金だけで生産性がアップするものではないけれど、賃金が低く仕組みが不明確で不公平な、将来が見通せない賃金ではやる気は出ません。

賃金は社員の生活の糧であるとともに、モチベーションに影響を及ぼす重要な要素です。また企業サイドから見ると労働分配率を考慮しなければなりません。さらに制度上の公平性と理解性が必要です。公平性は、個人の立場や考え方などがありますのでどこで納得するかではなく、いかに理解をするか、ということです。「自分の給与は納得できないけれど、制度的状況的に理解はできる」と「将来が描ける」という制度が必要です。そのためには企業のコンセプトに気づきニーズに沿った賃金制度と評価制度を構築することがよろしいでしょう。

賃金制度の目的

賃金制度の目的は、従業員に規定化された賃金の支払う仕組みと方法、そしてアップする(またはダウンする)原因を明確にし、現状と将来の見える化を図ることです。
最近では、日本の年功制給与の改定機運が出ています。正社員給与が入社した際の給与をベースに能力や成果と関係なく毎年のように自動的にアップしていくことの是非と、働き方改革による公正な待遇確保で正規・非正規の処遇格差を改めなければならないことによるものです。従って欧州、またはアメリカ型の職務給制度に類する制度も視野に入れる必要があります。
まずは、企業のコンセプト、現状の悩みや不明点、そして今後の展望などをまとめることから始めることを提案いたします。
なお、弊社のコンセプトは、「職場を良くし、会社を良くし、家庭と日本を良くする」ことです。

新しい賃金制度導入までの流れ

Step1. 企業コンセプトの確認、経営理念と人材の活用方法を整理します。

会社の理念や進んでいく方向性、人材活用の考え方等を、貴社にとってのベストプラクティスを導きます。

Step2.現状の賃金制度の分析 

賃金データで、年齢や勤続年数、役職、職種別、評価別等に分析、必要に応じて従業員の意識調査や満足度調査、将来の展望の調査等を実施し、現状を分析します。

Step3.賃金制度の作成、試算、調整

作成した賃金テーブルで、実際の従業員に当てはめたシミュレーションを行い、現行の賃金制度と比較しながら調整を行います。

Step4.新しい賃金制度への移行

新しい賃金制度に円滑に進められるように移行時期とステップについて検討します。

Step5.就業規則、賃金規程の変更・届出

新しい賃金制度に変更したら、就業規則や賃金規程の変更を行い、所轄労働基準監督署に提出します。

Step6.職務分析の実施・オプション

新賃金制度を構築する際には、誰がどのような仕事(役割)を行いその責任性はどの程度のものか、現状を調査する必要もあります。弊社では簡単に調査することが可能なオリジナル方式のDルール(デジタルルール)をご提供することができます。ご相談をお待ちします。

参考・主な賃金体系

年齢給、勤続給

年齢や継続年数を基準に算出する年功型の賃金形態で、従業員の会社への帰属意識を高めるしくみといえます。その一方、従業員の高齢化によって人件費が高まり販管費が高騰してしまうリスクがあり、また能力の高い人材より低い人材のほうが高い給与になるという事象が発生し、トラブルが起きやすいといえます。

職能給、能力給

職務遂行能力を基準に賃金を算出する賃金形態で、職務に対する知識や技能、経験、資格といった業務に必要なスキルに加え、リーダーシップ、協調性、ストレス耐性といったもの全般が基準になる属人的な賃金体系となります。能力を判断する基準は、勤続年数や、企業が所属する業界にどれだけ精通しているか等です。年功序列を前提としているため、成果判断より勤続年数などに応じて賃金はアップします。

職務給

従事する仕事内容で算出する賃金体系で、職務を難易度などによってランク付けし、ランクごとに給料が設定されるため、同じ職務に就く従業員は、勤続年数や年齢、能力に関係なく給料が同じになります。同一価値労働同一賃金で検討され始めているジョブ型雇用にマッチする賃金体系です。時給制の非正規従業員の賃金体系に近いものです。

役割給

職務給の一種で同じ職務であっても仕事の大きさや責任の重さを評価し、仕事の価値が上がればその時点から昇給、ダウンすればその時点から降給、変わらなければ維持というきわめて明瞭かつ合理的な賃金体系です。ただし役割を明確にする必要があります。

成果給

個人の業績や成果を基準にして定められる賃金体系で、年齢や勤続年数に関係なく成果を基準に公正な評価がされるため、良い成果や実績を出すために自然と社員は努力をするようになり、また社員が成長することで企業の成長にもつながりやすいというメリットがあります。成果はMBO(目標管理制度)などで評価します。

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